コロナ禍で「LINE公式を始めた」というクリニックは増えたのではないでしょうか。しかしながら、一旦始めたものの思うように登録者が増えないという声もよくお聞きします。LINEを上手に活用するためには、「登録者を集めてどのように利用するか」という活用イメージを事前に考えておくことが大切です。また、登録者を増やすためには、登録者にとってのメリットをどれだけ提供できるかが重要になります。
LINEの登録者を増やすためには
もし漠然にLINEをはじめたとしたならば、登録者数は月に数十名程度しか増えないでしょう。まず大切なのは「記録する」ことです。登録者の推移をしっかり把握することこそが登録者数を増やすための第一歩なのです。例えば、記録はエクセルで毎月の新規登録数を記載して行き、グラフで分かりやすく見られるようにしておけば良いでしょう。そして、毎月LINE担当者に報告していただき、その際に院長がしっかり褒めることで、担当者のやる気につながります。
LINEの登録者数を増やすための方法は様々な書籍が出ていますので参考になります。また、医療以外の業界の事例、例えば飲食店などがどう取り組んでいるのかを研究することも大切です。2つ目に大切なことは「増やすための学習」をすることではないでしょうか。それと同時に経営者である院長は、「どうすればLINEの登録者を活用できるか」を合わせて考えていくと良いでしょう。
LINE公式サポートサービス
LINE公式をサポートするサービスも存在します。(https://www.media-cf.co.jp/service/line-support/)LINE公式を立ち上げたものの、上手く立ち上がらない、日々の運用まで手が回らない、という方へのサービスです。
サービス内容としては、リッチメニューや自動応答機能の設定、アカウント運用支援などがあります。登録者数を増やすためには、登録する患者さんに「LINE登録のメリット」をしっかり伝える必要があります。そのためには、ランディングページ(LP)やサイネージでの案内、QRポップなどを用意することで、患者さんに認知をしっかり図ることが可能です。また、Web問診と組み合わせて行うことも相乗効果が発揮できます。具体的には、LINEからWeb問診に登録する流れを作ることで、患者さんの利便性が向上します。逆にWeb問診の終了ページでLINE登録をお知らせする流れも有効です。スムーズなLINE登録への動線が作られます。
また、日々の運用には患者さん向けにコンテンツ(耳よりの情報)を作る必要があります。しかしながら、なかなか院内にはそれほど多くのコンテンツが存在しているわけでもなく、すぐにネタ切れが起きてしまいます。そんなときのために、独自のコンテンツを提供するサービスもあります。
LINEの事例
山口県のクリニック(内科・リウマチ科)では、2021年4月後半にLINE運用を開始し、3カ月で1000人を超えたとのことです。当初は、地域の問題や、来院患者の年齢層を考えると、それほど増えないのではないかと考えられていました。が、コロナワクチンの予約を絡めて、LINE公式と予約システムを組み合わせることで、患者さんへメリットが伝わり、多くの登録者を獲得できたという事例です。
このことからも、患者さんにとってのメリットをどう作り出すかは患者を増やすうえで必要不可欠です。「LINE登録することでこんなメリットがる」としっかり伝えることも大切で、そのためには「予約システム」で予約が優先的にとれるであったり、「Web問診」を組み合わせることで、来院後の待ち時間が減るといった目に見え体感できるメリットが大切なのです。
その他、毎月のコンテンツ配信例については、「診療カレンダー(休診日などの情報・当番ドクターの情報)」や「混雑時間帯の予想」「検診のご案内」などが行われています。患者さんの知りたいであろうリアルタイムな情報、季節性の情報などはLINEのコンテンツ配信に向いていると感じます。
LINEを使う最大のメリット
LINEのメリットは、クリニック側から情報をプッシュできることにあります。これが最も大きなホームページとの違いです。ホームページはプル型メディアであるのに対し、LINEなどSNSはプッシュ型メディアと言えます。例えば、コロナワクチンのキャンセル枠のお知らせをしたいと考えた時、ホームページであれば、その情報にたどり着くまでに時間がかかりますし、ホームページに訪問した人にしか情報は伝わりません。しかし、LINEであれば登録者に一斉配信が可能ですので、しっかりと情報を伝えることが可能なのです。また、患者さんからの反応も即時に起こるのです。
しかしながら、クリニックのお知らせが毎日のように来ては、患者さんは煩わしいと考えますし、患者にとってメリットのない情報は迷惑になってしまいます。月1回程度の情報提供にとどめるということも大切でしょう。くれぐれも営業にならないように。
繰り返しになりますが、LINE登録者を増やすためには、クリニックが患者さんにとってのメリットを十分に考えて提供できるかにあると考えます。