『順番管理システム、導入パーフェクトガイド 前編』では、順番管理システムの基本機能と、便利機能のうちレセコン・電子カルテ連携を説明しました。本稿では、後編として自動受付機やオンラインからの順番取りなど、さらなる便利な機能について解説していきます。
順番管理システムのさらなる便利な機能
1.患者様ごとに、共有した情報をメモとして入力・閲覧
患者様ごとに、その日に何かスタッフ間で共有したほうが良い情報を「メモ」として入力・閲覧することができます。例えば、「筆談希望」「要介助」「感染症疑い」「VIP」など。
2.「自動受付機」との連携
診察券にカルテ番号をバーコード化したものを貼るか印刷すれば、受付スタッフの手間無く受付機を使ってカルテ番号を読み取り、どの患者様が来院したかを認識して、自動受付ができます。診察券を忘れた場合や新患の場合は、一旦番号のみ発券し、のちほどカルテ番号と紐付けします。
3.患者様が受付後、外出などで不在の場合の運用
患者様をお呼びしても不在だった場合は、保留ボタンから「不在」を選ぶことで、待合室のモニターの不在欄に表示できます。また、患者様が外出する旨をスタッフに伝えるなどした場合も同様です。患者様が待合室に戻り次第「不在」や「外出」を解除します。
4.保留のカスタマイズ
診察前に処置や検査などを行う場合、いったん待合室のモニター(順番表示画面)から番号を外したいことがあります。こういった場合は、あらかじめ「処置」や「検査」などを保留項目に登録しておけば、保留を選択したときに待合室のモニターに番号が表示されないようになります。
5.一時外出中でも、あと何人かがわかる
受付時に患者様にお渡しする番号票には、QRコードを印刷できます。患者様は、外出先からこのQRコードをスマートフォンで読み込むことで、あと何人、あと何分ぐらいで呼ばれるか、オンラインで確認できます。
6.オンライン順番取り
医院に来院しなくても、自宅や外出先からオンラインで受付を済ませ、順番(番号)を取ることができる機能です。
患者様は自分の順番が近くになってから来院するので、待ち時間がほとんどなく、来院したらほぼすぐに呼ばれることになります。インフルエンザ等の感染症が流行している季節など、病人の多く集まる待合室でなるべく待ちたく無いという患者様と家族に喜ばれます。
スマイル眼科は「オンライン順番取り」を運用開始してから約2年が経ちますが、現在は全患者様の約13%がオンライン順番取りをして来院しています。待合室の混雑緩和、駐車場の利用時間短縮に貢献しています。
オンライン順番取りは、細かい設定が可能です:
- オンライン順番を受け付ける時間、受け付けない時間の設定
- 手動でのオンとオフ
- 受付終了時間から逆算して、一定の患者数以上が待っている場合に自動でオフになる設定
- 新患も利用できるようにするか、しないかの設定
7.自院のホームページと順番管理システムの連携
(1)現在の待ち人数の表示機能
順番管理システムと連動して、ほぼリアルタイムに待ち人数や現在診察中の受付番号を表示することが可能です。受診する際の混雑状況の目安になります。医院としては、混雑している時間帯を患者様が自ら回避して受診してくれることで、患者数の平準化にも効果があります。すでに自院のホームページをお持ちの場合でも、ホームページ制作業者に相談すると、簡単にこの表示機能を追加できるでしょう。
(2)オンライン順番取りのリンクの設定
オンライン順番取りは、自院のホームページにリンクを置くだけです。PC・スマホ両対応で、設定に従って曜日・時間で順番取りの可否が自動的に制御されます。
おわりに
今回は、単科で一つの診察室への呼び出しの運用を例に説明いたしました。
実際の患者様の動線は、単科で一つの診察室であっても、複数の部屋間の移動を伴います(例えば、検査室から診察室、診察室から会計など)。これら全ての動線を順番管理システムで管理することも考えられますが、単科で診察室が1つの場合は、操作が煩雑になり現実的ではないでしょう。シンプルに待合室から診察室への入室時のみにすることが、運用上スムースです。